SF映画好きの人から面白いと絶賛されていて、いつか見てみたいと思っていた「ミッション・8ミニッツ」という映画を見たので感想を書きたいと思います。
なるほど、これは面白い・・・今年一番楽しめたSF作品かもしれません、皆さんの評価が高い理由が分かった気がします。
謎を少しずつ解き明かしていくサスペンス要素と、SF要素がとても上手く練られていて、最後までドキドキして見れましたし、ラストもとても感動しました。
SFサスペンスが好きな方には、ぜひオススメしたい作品です。
作品情報
- 邦題:ミッション・8ミニッツ
- 原題:Source Code
- ジャンル:SFテクノスリラー
- 制作:アメリカ合衆国/フランス
- 日本公開:2011年10月28日
- 上映時間:93分
- 監督:ダンカン・ジョーンズ
- 主演:ジェイク・ジレンホール
予告ムービー |
ストーリー
アメリカ陸軍パイロットのスティーブンス大尉が目を覚ますとAM7:40、シカゴ行き通勤列車の中だった。しかし周りの光景にも、自分に話しかけてくる同席の女性(クリスティーナ)にも全く見覚えがない。鏡に映る自分の顔も別人であり、所持していた身分証には教員ショーン・フェントレスと書かれている。そして8分後、列車は大爆発を起こして乗客は全員死亡する。 爆発後、スティーブンスが操縦席らしき暗所で目を覚ますと、モニター画面に映る女性(グッドウィン空軍大尉)が話しかけてくる。列車爆発は既に起こってしまった事件であり、ラトレッジ博士が開発した”包囲された城”と呼ばれるプログラム装置を用いて、死亡した乗客ショーンの脳に残っていた爆発直前8分間の記憶と、スティーブンスの意識とを同期させ、脳内で体験しているのだと知らされる。そして、6時間後に次の爆破テロがシカゴのダウンタウンで実行される前に、過去の8分間を体験しながら列車爆破の犯人を特定して欲しいと説明を受ける。
ミッション・8ミニッツwikiより引用
感想(ネタバレ含む)
まずこの映画は、タイムリープものです。
主人公のコルター・スティーヴンス大尉が、軍の「ソースコード」という極秘システムによって、既に起こってしまった列車爆破テロ被害者の民間人の脳に自分の意識を転送させて、爆破した犯人を捜すというミッションを強要させられます。
そのシステムを作った博士曰く、過去に飛ばせるのは列車爆破の「8分前」までが限界で、爆発するまでのたったの8分間で犯人を特定しろというのです。
コルター大尉は、自分がなぜこんなミッションをさせられているのか、自分が閉じ込められている「転送装置」は一体何なのか、ろくに説明もされず、訳が分からないまま何度も過去に飛ばされてしまいます。
当然コルター大尉は幾度となく失敗し、その度に列車は爆発、爆発しては現在に戻り、そしてまた過去に飛ばされる繰り返しです。
自分の置かれている状況が徐々に明かされる
この作品は、「タイムリープを繰り返し、爆破犯人を探し出す」という目的と同時に「自分が今置かれている状況を解き明かす」という二重の謎解き要素があります。
タイムリープを繰り返す度に、それらが徐々に判明していくので、主人公のコルター大尉と共感しながら物語を追うことができます。
以下ネタバレ↓↓
実はコルター大尉は、軍の任務中に負傷して身体の半分以上を失っていて、いわゆる植物人間状態であり、生命維持装置を付けられ脳だけが辛うじて活動している状態でした。
そして、コルター大尉の脳をソースコードに利用するために、軍(博士)は「コルター大尉は任務中に死亡した」と、家族や関係者に伝えていました。
つまり、コルター大尉がいる「転送装置」は、大尉が自分の脳でイメージしてできた空間であり、実際には実在しない場所です。(国に尽くし、植物人間になってしまった後も軍に利用される大尉可哀想・・・)
爆破事件解決へ
自分の置かれている状況を理解したコルター大尉は、このミッションが終わったら「今度こそ自分を死なせて全て終わりにしてくれ」という条件で、列車にタイムリープして爆破犯人を特定します。
そのおかげで現実世界でも犯人を逮捕し、見事に更なるテロ被害を食い止めるわけですが、コルター大尉は何度も過去に飛ばされているうちに、「ソースコード」が被害者の民間人の過去の記憶に、ただ意識を送っているわけではないのでは?と気付きます。
過去の被害者の記憶に飛ぶのであれば、毎回何をしても周りの状況は変わらないはずなのに、過去に飛ばされる度に、その場の人々の仕草や結果が微妙に違ったものになっていたからです。
博士は「過去の記憶内で何をしても、現在の結果には何ら影響がない」と最初に説明するのですが、実際に列車で結果が毎回異なることを見てきた大尉は「もう一つの可能性」を感じ始めます。
ソースコードの秘密
実はソースコードは「過去に意識を転送するシステム」ではなく、「並行世界(別の次元)に意識を転送するシステム」だったんです。
つまり、ソースコードを使用するたびに新しい可能性の世界が作られる、もしくは元からある別の可能性の世界(パラレルワールド)に飛ばされているということになり、そこにいる人々は過去の記憶の残像ではなく、実在している別の世界の人間だということです。(そこら辺の解釈は、見る人によって多少違ってくるかもしれませんが)
そうであれば、それぞれの世界に違った結果がある、つまりはその世界の人たち(被害者)を爆破から救えるということになります。
それに気付いたコルター大尉は、現実世界でのテロ犯人逮捕後、最後に一度だけ列車にタイムリープさせてくれと頼みます、被害者を救いたいと、そしてそれを最後に自分の生命維持装置を切ってくれと懇願します。
救ったからといって、今の世界での結果は変わるわけではないのですが、それでも救える可能性があるならば救いたいと。
因みに、ソースコードが並行世界へ意識を飛ばすシステムだということは、体感した大尉以外は誰も知りません、博士や軍はあくまでも過去の記憶に飛ばすだけのものだと認識しています。
大尉、自分は植物人間状態でほぼ死人状態なのに、皆を救うとかカッコ良過ぎだろう・・・(´;Д;`)
その大尉の願いは、軍の中でも唯一大尉の気持ちを理解してくれたグッドウィン空軍大尉が協力してくれて、最後のタイムリープを成功させます。
その後、どんな結末が待っているのか、それはぜひ映画を見て確かめてみて下さい。
クマぱぱの評価:10点(10点満点)
この映画は、最近見たSF作品の中では断トツで面白かったし、心に残りました。
ラストシーンには賛否があるようですが、個人的にはこれも一つのハッピーエンドで、綺麗にまとまっていて良かったと思います。
全てが謎の状態からスタートして、内容も小難しいSFものにも関わらず、たったの93分という短い時間にまとめてあるのは凄いの一言!
本作品のダンカン・ジョーンズ監督、この8ミニッツの前の作品「月に囚われた男」もすごく面白かったので、一気にファンになってしまいました。
タイムリープものは、結構バッドエンド的な終わり方をする作品も多いので、ラスト感動して終われたのは監督と脚本に感謝。
こういう作品がたまに出てくるから、初見映画鑑賞はやめられない♪
本当に良い映画でした。
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